ICタグ・ RFIDタグのアンテナの指向性
ICタグとRFIDタグのアンテナの指向性は、それぞれのタグの種類や周波数帯域によって異なります。一般的には、次のような特性があります。
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ICタグのアンテナの指向性
ICタグのアンテナは、通常、非常に低い指向性を持ちます。低周波(LF)や高周波(HF)のICタグのアンテナは、一般的に周囲の電磁波を比較的均等に受信します。
アンテナは、周囲の電磁雑音や物体の影響を受けにくいため、幅広い環境で使用されます。
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RFIDタグのアンテナの指向性
RFIDタグのアンテナは、周波数帯域によって異なります。低周波(LF)や高周波(HF)のRFIDタグのアンテナは、ICタグと同様に非常に低い指向性を持ちます。これにより、周囲の電磁波を比較的均等に受信します。
一方、超高周波(UHF)のRFIDタグのアンテナは、高い指向性を持ちます。これは、長距離通信や高速通信が可能なUHF帯域の特性によるものです。
私たちの身近には、携帯電話やwifiルーターなどの電波とアンテナを利用した機器が数多くあります。電波の送受信をすることがアンテナの役割です。部屋中に電波を発信する必要があるルーターと違い、RFIDアンテナは効率良くRFIDタグを読み取らせるために電波を一定方向に集約するように設計されています。
RFIDアンテナは特定の放射方向(指向性)において強い電波を発信したり、受信できたりします。RFIDの通信方式では、主に「低周波(LF帯)」「高周波(HF帯)」「超高周波(UHF帯)」「マイクロ波帯」という4種類の周波数が用いられています。
アンテナ選定時のポイント
アンテナには、いくつかの種類があります。
アンテナを選定する場合には、下記のポイントが重要です。
【サイズ】:大きい、小さい
サイズは、読み取り範囲と読み取り距離に影響します。設置場所の空間と読み取り範囲に応じて最適なアンテナを選ぶ必要があります。
【利用場所】:屋内。屋外
物流倉庫や製造現場などでは、屋内であっても耐環境性能の高いものを選ぶことがとても重要です。
【電波特性】:直線偏波、円偏波
直線偏波は、タグが同じ面に設置されていて、読み取りする際もタグに対して正対した同じ方向から読み取れるように運用することが重要です。
円偏波は、指向性が低くいので、読み取り範囲が広くなり読み取り漏れを少なくできます。
【出力電波強度】:強い、弱い
出力の高い機器は読み取り距離が長くなります。
【読み取り】:距離よりも範囲が重要、範囲よりも距離が重要
アンテナ毎に読み取り幅や読み取り距離などの特徴が異なるので、偏波方式や出力電波強度などを決めたうえで確認することが重要です。