ICタグ・ RFIDタグのメモリ構造
ICタグとRFIDタグのメモリ構造は、タグの種類や用途によって異なります。以下では、一般的なRFIDタグの構造を説明します。
■ユーザーメモリ
ユーザーメモリは、ユーザーが自由にデータを格納できる領域です。この領域は、タグに関連付けられたアプリケーションや特定の用途に応じて、カスタマイズされることがあります。有効期限や個体番号など、運用で必要な情報を設定可能です。
■EPCメモリ
EPCメモリには、タグの一意の識別子である電子製品コード(Electronic Product Code)が格納されます。このコードは、タグが特定のアイテムを識別するために使用されます。EPCメモリは、CRC領域、PC領域、UII領域の3つの部分で構成されています。
●CRC領域:ICタグのコード情報が正しく読み書きできたかどうかを検証するための領域です。ユーザー自身での書き込みはできません。
●PC領域:ICタグの種類や通信方式に関する情報を格納します。
●UII領域:ICタグのコード情報を格納します。
■TIDメモリ
TIDメモリには、タグの固有識別子(Tag Identification)が格納されます。この識別子は、タグの製造情報や製造バッチなどの情報を提供します。タグの製造時に書き込まれる領域のため、読み取りは可能ですが、基本的にユーザーは書き込むことはできません。
一般的にRFIDタグのTIDメモリ領域は、ユーザーが制御することができません。
■RESERVEDメモリ
メモリへのアクセスを制限をするパスワードなどが格納されます。読み取り専用の「Access Password領域」とタグを無効化する「Kill Password領域」の2つの領域で構成されています。Access Passwordは読み取り、書き込みのロックまたはロック解除に使用します。Kill Passwordはタグの読み取り機能をブロック、破壊するために使用されます。