ICタグ・RFIDタグの違い

ICタグとRFIDタグは、関連が高い技術で、しばしば混同されることがありますが、いくつかの違いがあります。
以下では、ICタグ=HF帯、RFIDタグ=UHF帯と区別して、説明しています。

ICタグ(Integrated Circuit Tag

  • 機能

    集積回路(IC)を使用して情報を記憶して、処理します。通信機能だけでなく、データの記憶や処理能力を持つことが特徴です。
    ICタグは、RFID技術の一部として使用されることがありますが、RFIDタグとは異なります。

  • 用途

    ICタグは、RFIDタグの一種として使用されることがありますが、ICタグはRFID技術だけでなく、さまざまな用途にも使用されます。ICカードやICチップを内蔵したデバイスなど

  • 情報容量

    記憶装置としてEEPROMやフラッシュメモリなどを使用するため、比較的大容量のデータを格納可能です。

RFIDタグ(Radio-Frequency Identification Tag)

  • 機能

    電磁波を使用して情報を送受信するタグです。通常はアンテナとICチップから構成されています。
    アンテナを使って電磁波の送受信を行い、ICチップでデータの記憶や処理を行います。

  • 用途

    主に物品の追跡、識別、在庫管理、アクセス制御などの用途で使用されます。
    RFID技術は、小売業界、物流業界、セキュリティ、交通システムなどで幅広く利用されています。

  • 情報容量

    一般的に、RFIDタグのデータ容量はICタグよりも少なく、識別子や簡単な情報を格納することが一般的です。

ICタグとRFIDタグは、大きく3つに分類できます。
■RFIDリーダライタから照射された電波や磁界を利用してICチップを動作させる「パッシブタグ」
■バッテリーを内蔵し、RFIDリーダライタからの電波が照射された時だけ動作する「セミアクティブタグ」
■ICタグ・RFタグ内にバッテリーを内蔵することで単独駆動・長距離通信を可能にした「アクティブタグ」

種類 バッテリー
有無
通信
距離
価格比 特長
パッシブタグ 短い サイズが抑えられ、メンテナンスが不要。商品管理や電子マネーなどで活用されている。
セミアクティブタグ 比較的
長い
セミアクティブタグは特定の場面でのみ反応させることで、アクティブタグよりバッテリー消耗が少ない点が特長。
アクティブタグ 長い 帯域により数十メートルの長距離通信が可能。人や資材の所在識別に有用。

※一定の電波出力がある機器で、920MHz帯の周波数での通信には総務省への申請が必要になります。