LF帯入退室管理 (立山科学)
概要
立山科学様では、医療現場におけるハンズフリーの入退室構築を目指している中で、LF帯の長距離通信の特性、障害物に対し電波の回り込みが良好などの点から、LF帯のリーダとICタグとの組み合わせを採用し、現在3カ所での導入が決まり、今後も積極的な展開をしていく予定です。
入退室機器は、自動ドアなどと連携しており、利用者はカードやリストバンドなどを装着し、リーダに対してかざしていくという方式は既存の入退室管理と変わりませんが、通信距離が30~60cmと長いため、両手が塞がった状態でもリーダに対面するだけで、扉を開けることが可能になります。
LF帯自体は古くからある通信方式ではありますが、今流行りのUHF帯に比べ、金属や水分がある環境でも読み取りがしやすいのと、1m以内での安定した読み取りも可能なため、最近見直されてきています。車などで使われるイモビライザーも同じLF帯の技術となります。
使用タグについて
①LF帯リーダ GP60-SE1
216mm×216mm×H39.5mm 壁取付け形(ホワイト)
I/F RS232C,RS485,Wiegand
②LF帯リーダ GP30-UT4
104mm×63mm×H20mm 壁取付け形(アイボリー)
I/F RS232C,RS485,Wiegand
③LF帯カード HSEE-4200-001
85.6mm×54mm×0.76mm ISOカードサイズ 首掛け用
EMチップを使用
④LF帯ウレタンリストバンドタグ
36mm×28mm×3mm
汎用的に利用できるように帯通しの穴が2か所に開いた仕様
内容(運用/課題解決/成果など)
課題
元々UHF帯などのRFID機器は読み取り距離は長いものの、付近にある他のタグも読んでしまう、人が持っていると水分の影響から読み取りが悪くなるなどの傾向があるため、入退室の仕組みとしては使い勝手がよいものではなかった。一般的に利用されるHF帯では、0~5cm程度の通信距離となるため、ハンズフリーでの入退室を実現することは出来ない。
課題解決
そこで古くからある技術ではあるが、LF帯を利用した読み取り方式を提案。通信距離を人は近づく最適な距離で認証が可能になるのと、建物の柱など金属の構造物でも影響が出にくく、人が持って運用する場合も問題ないとのLF帯の利点が充分に発揮できるとして導入へ進んでいます。
成果
運用の中で、リストバンド型のタグも用意しており、首から下げるわずらわしさがなく利用できるとカード以外でも好評を頂いております。